費用・お金の不安 × 払い戻し制度

高額介護サービス費とは?自己負担の上限と払い戻しの手続き

📅 2026年8月5日 ⏱ 約6分で読める 社会福祉法人 奉優会

高額介護サービス費のイメージ
この記事の結論 小多機・看多機は通い・泊まり・訪問を組み合わせて使うため、月によって自己負担額が積み上がりやすいサービスです。所得区分ごとに定められた上限額を超えた分は「高額介護サービス費」として払い戻されるので、まずは自分の上限額を知っておきましょう。申請は初回のみで、以降は自動的に振り込まれます。
この記事でわかること

高額介護サービス費とは

「通いも、泊まりも、訪問も使わせてもらったら、今月の請求書、こんな金額になるんだ……」——小規模多機能型居宅介護(小多機)や看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、通い・泊まり・訪問を柔軟に組み合わせて使える分、利用回数が増えた月は自己負担額も上がります。

高額介護サービス費とは、1か月に支払った介護保険サービスの自己負担額(1〜3割負担分)の合計が、所得区分ごとに定められた上限額を超えたとき、その超えた分が申請によって払い戻される制度です。医療的ケアが必要な時期や、家族の入院・出張が重なる月ほど、この制度の対象になりやすくなります。

自己負担の上限額(負担限度額)はいくら?

上限額は、本人および同じ世帯の第1号被保険者(65歳以上)の所得状況によって、以下のように区分されています(2026年8月時点)。

所得区分世帯の上限額(月額)個人の上限額(月額)
課税所得690万円以上(年収約1,160万円以上)140,100円
課税所得380万円以上690万円未満(年収約770万円〜1,160万円未満)93,000円
一般(市区町村民税課税世帯で上記に該当しない方)44,400円
世帯全員が市区町村民税非課税24,600円前年の公的年金収入等の合計が一定額以下の方は15,000円
生活保護を受給している方15,000円15,000円
基準額の改定に注意 市区町村民税非課税世帯のうち個人上限15,000円が適用される「年金収入等の基準額」は、2026年8月利用分から80.9万円→82.65万円に引き上げられています。年金額の改定にあわせて基準額も見直されるため、詳細はお住まいの市区町村の介護保険窓口でご確認ください。

上限額の対象にならない費用

次の費用は高額介護サービス費の計算に含まれません。合算前に把握しておくと、想定外の請求額に慌てずに済みます。

なぜ小多機・看多機の利用者は対象になりやすいのか

小多機・看多機は、ひとつの契約で「通い」「泊まり」「訪問介護・訪問看護」を柔軟に組み合わせて使える月額定額制のサービスです。退院直後で訪問看護の回数が増えた月、家族の急な出張で泊まりを多く使った月など、利用状況によって自己負担が変動しやすく、結果として上限額に達するケースが少なくありません。

POINT 「今月は少し使いすぎたかもしれない」と感じたときこそ、この制度を思い出してみてください。上限を超えた月があれば、後日自治体から案内が届きます。

申請から払い戻しまでの流れ

STEP内容
1. 通知が届く自己負担額が上限を超えた月があると、数か月後にお住まいの市区町村から「高額介護サービス費支給申請書」が自動的に送付されます。こちらから申請先を探す必要はありません。
2. 記入・返送振込先口座など必要事項を記入し、印鑑や本人確認書類とあわせて返送・提出します(自治体により様式や必要書類は異なります)。
3. 初回のみ申請一度申請して口座を登録すれば、その後上限額を超えた月については、原則として申請不要で自動的に同じ口座へ振り込まれます。
4. 振込利用月から支給までは、自治体の処理の都合上おおむね2〜3か月程度かかるのが一般的です。
申請には時効があります 対象月の翌月1日から2年を過ぎると請求できなくなります。心当たりのある月がある場合は、お早めに市区町村の介護保険担当窓口へお問い合わせください。

医療費と合わせて使う合算制度

医療機関への通院や入院が重なる時期は、介護保険の自己負担に加えて医療保険の自己負担も大きくなりがちです。1年間(毎年8月〜翌年7月)の医療保険と介護保険の自己負担を合算し、世帯の所得区分ごとの年間上限額を超えた分が払い戻される「高額医療・高額介護合算療養費制度」という制度もあります。高額介護サービス費とは別の申請が必要なので、退院直後で医療費もかさんでいる方は、あわせて確認しておくと安心です。

よくある質問

福祉用具のレンタル料も対象になりますか?

対象外です。高額介護サービス費は介護保険サービスの1〜3割自己負担分が対象で、福祉用具のレンタル・購入費や住宅改修費は含まれません。

同じ世帯で複数人が介護サービスを利用している場合は?

世帯内の利用者全員分の自己負担額を合算して上限額と比較します。上限を超えた分は、各利用者の負担額に応じて按分され、それぞれの口座に振り込まれます。

申請を忘れていた月があるのですが、さかのぼって請求できますか?

対象月の翌月1日から2年以内であれば、さかのぼって申請できます。心当たりがあれば、まずはお住まいの市区町村の窓口にご相談ください。

まとめ

  1. 高額介護サービス費は、1か月の自己負担額が所得区分ごとの上限を超えた分が払い戻される制度
  2. 小多機・看多機は通い・泊まり・訪問を組み合わせるため、上限に達しやすい
  3. 申請は初回のみでよく、以降は自動的に口座へ振り込まれる
  4. 時効は2年。心当たりがあればお住まいの市区町村の窓口へ早めに相談を

制度の詳細や最新の基準額は改定される場合があります。正確な情報は、必ずお住まいの市区町村の介護保険担当窓口でご確認ください。

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